帝国データバンク大阪支社支社長付部長 中村昌弘さん

2010.08.12
たんばのひと

企業情報を収集・分析
(なかむら まさひろ)三田市在住

 1956 (昭和31) 年、 丹波市山南町生まれ。 柏原高、 大阪経済大経済学部卒。 ネクスタを経て87年に帝国データバンク入社。 2004年より現職。

 企業調査のエキスパートとして、 様々な業種、 規模の会社に足を運び、 財務などの情報を収集、 分析してきた。 「年商1兆円の上場企業から1000万円の零細企業までありますが、 景気の動向がつかめるのは、 やはり東大阪などの町工場からですね」。
 取材先の社長の信頼を得て、 経営改革の相談を受けることも。 「真剣に考えているかどうかは、 目の色でわかります。 そうとわかれば、 とことんアドバイスさせてもらいます」。 倒産寸前だった雑貨・衣料卸の会社を、 在庫の点検、 仕入先のチェック、 役員の入れ替えまで指導して、 売り上げを4倍に増やすまでに立ち直らせた。
 前に勤めた包装用品メーカーの会社では営業を担当。 得意先での使われ方を観察しながら新製品を考案し、 特許を取って売り上げを伸ばした。 財務を勉強したくて今の会社に転じたが、 「こんなに長くいるとは思わなかった」 と苦笑する。
  「一番良かったのは、 外部の色々な人と接触出来て、 太い人脈が作れたこと」。 営業マン時代も含め、 「ポストや年齢にかかわりなく、 こちらの話に耳を傾けてくれる人を大事にした」。 大手企業の係長だった人が今では専務になって、 出張の折などに酒を酌み交わすことも。
 豊富な経験を買われて、 大手銀行や会社、 研究所の管理職研修にも出かける。 今月21日には母校の柏陵セミナーで 「勝ち組企業の経営者像と社員像」 のテーマで講演する予定。
 山南中学時代の剣道部の仲間とは今も時々会うが、 「丹波での思い出は学校より家での仕事のこと」。 国鉄マンだった父がずっと単身赴任していたので、 小学から高校まで、 母を手伝って田んぼや牛の世話をしなければならなかった。 「でもあの頃の暮らしが、 体力や精神力を培ってくれたんだと思います」。(外野英吉)

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