介護士のピアニスト 柿原 敦さん

2010.10.17
たんばのひと

 ライフピアいちじま (丹波市市島町) で11月3日に 「スローライフコンサート」 を開く。 高校時代にピアノに目覚め、 誰にも師事せずに、 独自のスタイルにこだわる。 古里でのホールコンサートに意欲をにじませている。
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  「高校2年の秋、 文化祭のクラス対抗の合唱コンクールがあり、 ピアノを伴奏する人がなかったので、 やってみようと立候補。 ピアノを本格的に始めて半年しか経っていなかったが、 本番でうまくいって、 クラスのみんなからほめられたことが、 大きな自信になった」
  「中学校の時は、 陸上競技に一生懸命で、 ピアノとは縁がなかったが、 姉や弟がやっていたので、 少しは刺激になったかもしれない。 高校卒業前に、 全国規模のピアノコンクールの近畿地区予選に演奏した曲をテープで応募。 予選を通過して、 本選に進んだが、 本選の日が就職先の初出社と重なり、 就職をあきらめた。 このことがピアノの道に進む決意を固めるきっかけになった」
  「2005年に上京後もバンドを転々とし、 生活も苦しかった。 自立していかなければという思いから、 介護の仕事を得て、 ピアノと両立させてきた。 老人ホームで演奏していると、 普段かかわっているお年寄りの表情がいつもより、 生き生きとして見えることもあり、 音楽の持つ力の素晴らしさを実感している」
  「今回のコンサートは、 古里のホールでの演奏ということで、 緊張している。 東京の日々の生活のなかで、 感じていることは、 自分も含めて極めて忙しいということだ。 忙しい日々の暮らしの時間を少し止めて、 安らげるひと時を持ってもらえればうれしい」
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  「落ち込んだ時は、 日記を書くように音楽のメロディーを考える」 と言い、 ピアノを使って自己表現する。 自作の曲には、 そんな日々の思いが詰まる。 独特の雰囲気を醸し出す演奏を楽しみにしたい。 27歳。 丹波市春日町中山出身。  (臼井 学)

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