NHKの朝ドラ「てっぱん」が終わった。以前にも書いた通り、主人公「あかり」役の瀧本美織の好演を、富司純子はじめ脇役陣がしっかり支え、世間離れした純情話にさわやかな後味を残した。▼終盤の3月12日以降は東日本大震災の影響で一時中断というハプニングに見舞われたが、最終週の「かならず朝は来る」のタイトルは、被災地に向けたかのよう。▼もうひとつ、このドラマを成功させた主役は、冒頭に登場する「てっぱん踊り」の動画集である。視聴者が自作自演で制作者に送って、面白ければ採用してもらえる。全国各地から、いや、外国らしい背景のものまであり、篠山からの応募作も、画面で定かに確認できなかったが、放映されたと聞く。▼テレビでも新聞でも、メディアがインターネット時代に生き残っていくには、情報の一方的な発信でなく、双方向、つまり視聴者や読者の参加が不可欠ということを、如実に示していた。▼「尾道焼」を真似て「丹波焼」を作ればと、馴染みの店主に提案したら早速、山芋たっぷりのが出て来て、なかなかうまかった。全国各地の特色あるのをそろえたコンクールを開いたら、面白かろう。そう言えばやがて被災地にも、新鮮なホヤなどを使った「三陸焼」が食べられる朝が来ることを、切に願う。(E)