阪急線の高架化推進
(みたに りゅういち)川西市在住
1954年(昭和29)三田市生まれ。 73年篠山鳳鳴高校卒業後、 関西大学工学部土木工学科に入学。 卒業後77年に鹿島建設に入社し、 関西支店に勤務。 2007年から鹿島建設・間組、 吉村建設工業共同企業体阪急洛西口 (工区) JV工事事務所長。
大手建設会社で下水道、 道路整備など様々な事業に携わった。 今は、 京都市の 「阪急京都線連続立体交差化事業」 を、 阪急電鉄から第1工区 (全長2キロのうちの700メートル部分) を請け負う。
工事現場は、 桂駅南側から洛西口駅方面に至る区間。 山陰街道 (京都市道) と久世北茶屋線 (京都府道) の両幹線道路が平面交差し、 京都市内でも有数の渋滞区域。 両路線に踏み切りのある阪急線の高架化によって、 交通渋滞や踏切事故の解消をはかるのが事業の目的。 「工事の完成後は、 町の景観も良くなる。 線路西側の道路には、 自転車歩行者専用道路も設置する」。
大学受験をひかえた高校3年生のころ、 経済状況が悪化した。 「不景気になれば公共事業が増え、 景気が良くなれば、 民間事業が活発化する。 土木に進めば後世に残るものを作れるし、 将来は安定するだろう」 と思い、 土木工学を志望した。
阪神淡路大震災のときには、 不通になった阪急神戸線の復旧工事を工事事務所次長として撤去・新設まで5カ月間の突貫工事で完成に導いた。 「材料調達などが困難な中で、 工事を早期に完成できたことが大きな自信になった。 その後に、 しんどいことがあってもやればできるという気持ちになった」 と話す。
部下や下請けなど現場を支える人のチームワークを一番に心がけており、 声をかけ合って士気を高めている。 「それぞれの現場によって長さ、 高さ、 形の違う物を現場で作りだすのが醍醐味。 しかも、 インフラ整備によって、 社会のために役立つ」 と仕事の面白みを強調。
「高校3年間、 過ごした篠山の町に行くと、 昔と変わらない町並みや雰囲気に癒やされる。 同級生とのゴルフも楽しみ」 とニッコリ。