初の市民ランナー派遣 ABCマラソン完走者から抽選 篠山市

2013.05.16
ニュース丹波篠山市

写真・館山市への市民ランナー派遣の公開抽選会=篠山市北新町で

 毎年3月に兵庫県篠山市内で行われる 「篠山ABCマラソン大会」 の大会実行委員会は、 来年1月26日に千葉県館山市で行われる 「第34回館山若潮マラソン」 に、 今年のABCマラソンを完走した市民ランナーを初めて派遣する。 篠山伝統の 「デカンショ節」 が縁となり、 2011年度には災害時の支援協定も結んでいる両市。 ともに33回の歴史を刻んできたマラソン大会があることも共通しており、 交流事業の一環として、 毎年、 相互に市民ランナーを派遣していくことを決めた。 まちを駆けるランナーが、 両市の交流の証しを体現する。

 派遣される初代ランナーは、 脇田理恵さん (40) =吹上=と、 山内一剛さん (46) =同=の2人。 実行委は今年3月に行われた第33回ABCマラソン大会を完走した篠山市民139人から、 来年行われる第34回若潮マラソンへの参加を募り、 うち38人が応募。 8日に篠山市役所で公開抽選会が行われ、 脇田さんと山内さんが選ばれた。

 実行委が1人につき、 派遣費用6万円を補助するほか、 大会の参加料も免除する。

 若潮マラソンは、 市民ランナーが参加する大会で、 近年はABCマラソンとほぼ同規模の約1万人がまちを駆ける。 フルマラソンのほか、 10キロの部やファミリーの部があり、 派遣ランナーはフルマラソンを走る。

 館山市と篠山市の縁は深い。 1898年 (明治31)、 館山の宿で篠山から東京へ遊学に出ていた若者たちがデカンショを歌っていたところ、 同じ宿にいた東京一高の水泳部員たちが調べを気に入って意気投合。 その後、 一高生は東京に戻ってからも歌い続け、 デカンショが全国に広がるきっかけになったとされる。

 以来、 両市の交流は続き、 11年には篠山市が東日本大震災の発生を受けて全国のゆかりのある市町と 「防災協定」 を結ぶ中で館山とも協定を締結。 交流は加速し、 昨年のデカンショ祭には館山市長や、 マスコットキャラクターのゆるキャラ 「ダッペエ」 が訪れたほか、 今年のABCマラソン大会には館山市からランナーを招いた。

 実行委事務局の市教育委員会は、 「互いに市民ランナーを派遣することで、 館山では篠山を、 篠山では館山をPRすることにつながれば。 来年以降も派遣は続くので、 ぜひたくさんのランナーに応募してほしい」 と話している。

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