監督を務める小野市を拠点に活動する電動車いすサッカーチーム 「Red Eagles (レッド・イーグルス) 兵庫」 が6月8、 9日にカナダで行われた国際大会 「コースタル・カップ」 で、 初出場初優勝を果たした。 日本のクラブチームでは初めての海外遠征でつかんだ栄冠を喜んでいる。
「2002年に日本選手権で優勝して以来、 ベスト4、 準優勝はあるが、 優勝から遠ざかっている。 日本代表のコーチとして海外遠征し、 学ぶことが多かったので、 選手が自分の壁を乗り越え、 精神面・技術面でさらに成長するきっかけになればと、 遠征を決めた」
「カナダの州代表3チームと、 日本から2チームが参加した。 総当りの予選リーグは4選全勝。 決勝でも、 予選で6―4と手こずったバンクーバーのチームを2対0で下した。 体格で劣る分を、 ドリブルやパスなどの細かいプレーと、 高い操作性の車いすといった技術で克服した」
「監督の私の仕事は、 相手のくせやねらいどころを伝えること。 最後までボールを追う、 楽しむ、 挑戦する、 攻撃的なプレーをする、 の4点を指示した。 大会に向けて、 イメージの共有や約束事、 役割分担を徹底した。 日本代表が壮行試合を開いてくれるなど、 多くの支えで優勝できた。 選手がいい表情でプレーしてくれた」
「優勝が決まり、 普段感情が出せなかったり、 うまく言葉にできない選手が、 涙を流して喜んでいた。 精一杯やり、 結果につながったことが、 心からうれしかったのだろう。 今回、 得た大きな自信は、 日本選手権など、 これからの大会で生きる」
選手は、 筋ジストロフィーや頚椎 (けいつい) 損傷で全介助が必要など、 重度の障がいがある。 勤務する神楽小の児童には、 努力すれば夢がかなうことや、 責任を持ってがんばることが自信になると伝えようと考えている。 丹波市春日町野村。34歳。