七夕

2013.07.06
丹波春秋

 きょう7月7日は七夕。この日、牽牛星と織女星が天の川を渡って出会うとされる。短冊に願い事を書いて祈りもするが、本来は、機織りや裁縫の技術が上達することを祈った行事だそうだ。「タナバタ」は「タナバタツメ」の略で、織女星のこと。織女星とはその名の通り、機を織っている女性のことをいう。▼古く万葉集にも七夕の歌があるが、万葉時代の女性たちは、織女星のごとく冬の夜長、機を織って過ごした。その一つとして「君がため手力(たぢから)つかれ織りたる衣(きぬ)ぞ春さらばいかなる色に摺(す)りてば好(よ)けむ」(柿本人麻呂歌集)という歌がある。▼「あの人のため、手も疲れて織ったこの着物。春がきたら、どんな色に摺り染めしたらよいのでしょう」という意味で、庶民階級の女性の作らしい。好きな人のために丹精込めて機を織り、どんな色の草染めにするかと、喜びのうちに思案する。その姿は何ともいじらしい。さぞや恋人とは睦まじかろう。▼さて現代。4日付の弊紙に載っていたが、県や篠山市の設けた男女の出会いの機関を通して、睦まじいカップルが生まれているようだ。▼今は、出会いの機関も天の川に架かる橋となり、1年に1度とは言わず、出会いのチャンスが開けている。少しでも多くの牽牛と織女が生まれるよう七夕に祈る。(Y)

 

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