夏の高校野球は近隣の福知山成美高、西脇工業の出場が決まり、関係者、縁者、OBらが多い丹波地域も盛り上がることだろう。▼先週末行われた兵庫大会の準決勝、決勝をテレビ観戦。西脇工がベスト4に進出したことを、実はそれまで知らなかったのだが、なかなか応援し甲斐のある好チームだった。▼エースで4番の翁田が7試合をほとんど1人で投げ切り、典型的なワンマンチームだが、しかし決勝では相手東洋大姫路の先制点、追加点を阻む、それぞれレフトからの返球、センターのスライディングキャッチと、翁田を助ける守備もすばらしく、全員一体となったプレーが甲子園初出場をもたらしたと言える。▼加えて、ベンチの木谷監督の表情がすごく良く、選手をよくつかんでいる人だと直感した。選手は伝統校となった駅伝と異なって、選りすぐりを集めているわけでは決してない。監督自身、岐阜県の高校時代にベスト16に進んだが、仙台の大学では準硬式をやっていたといい、兵庫県の教員になってからも華やかな経験はない。まさしく天の配剤だったのかも知れない。▼今兵庫大会ではベスト8に公立校が5校残った。3回戦で西脇工を終盤まで追い詰め、延長14回にサヨナラを喫した淡路三原も県立。これらの事実が示唆することは、最早説明するまでもなかろう。(E)