広大な中国

2013.10.26
丹波春秋

 シルクロードの通る中国・新疆ウィグル自治区。「疆」という字の右部は、3本の山脈(「一」)が2つの盆地を挟んだ形を示す。上からアルタイ山脈、天山山脈、崑崙山脈。それぞれ日本列島より長く、天山と崑崙の間には世界最大級のタクラマカン砂漠がある。▼天山山脈の中ほどにある人口400万人の首府ウルムチから、東方のトルファンに向かうバスの車窓に、一面の荒野が広がった。左側に遠く見えるのが天山山脈と言うから、「では右側の山脈は崑崙?とすれば、ここはタクラマカン砂漠の一部?」と思ってガイドに訊くと、「いえいえ、左も右も天山山脈。今、その中の平らな部分を走っています。タクラマカン砂漠は右側の山々のはるか彼方」。成程、地図には山脈が少しくびれた細い線の上に道が通っていた。▼しばらく行くと、風力発電機が林立。半時間ばかり途切れずに続く。給油停車の際、外に出ると、吹き飛ばされそうなほどの風だった。▼トルファンの近郊では、これまたおびただしい数の石油採掘井戸。浅い層から出るのか、背の低いごく簡単そうな機械だ。敦煌の玉門関遺跡の高台からは、見渡す限り太陽光発電施設が並んでいた。▼今さらに中国の広大さと資源力を実感する。こんな大国に隣り合う日本。伍していくには、ひたすら人智、文化を磨き上げるしかない。(E)

 

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