ベートーベン「第九」の合唱、田園ホールでの篠山初演に参加。200人の規模は相当の迫力だったようで、盛んな拍手を受けた。▼特筆すべきは、オーケストラも地元のアマチュア楽団「メロマン」が引き受け、助っ人を合わせ70人が演奏したこと。この長くて難しい曲をどこまでこなしてもらえるか不安だったが、なかなかに仕上がっていて脱帽した。▼団員によると、1月の初練習の時はてんでバラバラで“先行き真っ暗”だったそうだが、10月になって何とか道が開けてきた感じになったとか。全く、指導された指揮者の加藤完二さんのお蔭だ。▼以前に出た三木市での公演のように、大阪フィルを呼んで来れば最高なのは当然だが、全国であまた開かれる第九の中でも、オケまで自前でやる所はそうそうない。合唱団員が器楽の流れにも注意深く気持ちを向けながら歌った分、全員が一体となり、「全ての人間が兄弟に」という詞の精神が体現されたかも知れない。▼遠方から参加した人たちにも丹波の文化のレベルを褒めて頂いた。確かに胸を張っていい。1年間に渡って世話して下さった実行委員の方々の気苦労も大変だったろうが、出来ればこのイベントを定着させ、篠山の冬の観光にも一役買えれば、なお良いのではないか。「第九を聴いて牡丹鍋を食べよう」と。(E)