本紙丹波市版の前号1面トップ記事は、山南地域の中学校統合に関連するものだった。一方、篠山市版の1面トップは、多紀地区の3小学校統合に関するもの。同じ日付の1面を飾ったのは、いずれも学校統合の問題で、丹波地域が直面している問題を浮き彫りにした。学校統合の背景にある少子化である。▼本紙正月号で少子化問題を報じた。その中で、少子化の要因になっている未婚化の実態をデータで示した。35歳から39歳の未婚者は2010年時点で、男性は10人に3人、女性は5人に1人近く。同時点より20年前の1990年と比較すると、この年齢層での未婚者は男性でほぼ倍、女性は4倍ほどアップした。少子化が進むのも道理である。▼少子化は人口減少に直結する。これは丹波地域にとどまらず、国内全体の問題だ。少なからぬ識者の指摘によると、人口減少社会は近代日本人にとって初めての経験であり、日本は着実に「未知の社会状況」に向かって進んでいる。▼人口減少は経済を、産業をどう変えるのか。政治は、教育は、文化は、地域はどうなるのか。私たちの暮らしに希望は開けるのか。▼国立社会保障・人口問題研究所のデータによると、丹波市と篠山市を合わせた推計人口は2040年、約7万7700人に落ち込む。26年後。そう遠い日ではない。(Y)