製造・販売部門を譲渡 有志が作る新会社に 兵庫丹但酪農農業協同組合

2014.02.09
ニュース丹波市

写真・組合から新会社へ建物、 設備が売却される製造プラント=氷上町石生で

 兵庫丹但酪農農業協同組合 (丹波市氷上町石生、 塩見忠則組合長、 組合員28人) が4日、 臨時総会を開き、 牛乳事業の一部を、 組合員有志らが設立する新会社に譲渡することを決めた。 組合が直営している牛乳とヨーグルトの製造・販売事業を、 施設ごと新会社に移す。 売上の落ち込みと食品事故など経営上のリスク回避のため、 組合本体と加工部門の切り離し策を1年かけて導いた結論。 製造拠点が残ることで、 地域で慣れ親しんだ 「氷上牛乳」 ブランドが存続する。 現在の組合は、 生産組合として存続する。

 3月にも新会社を発足させる。 組合は、 新会社に出資し、 氷上牛乳センター (同町石生) 内の製造プラントの土地を新会社に貸し、 建物、 製造設備、 冷蔵庫、 関連施設などの上物を売却する。 出資は、 希望する組合員や取引先、 消費者からも募る予定。 新会社発足から半年程度の期間を置き、 職員を含め、 製造、 販売を新会社へ移す。

 組合は存続し、 加工事業以外の販売、 購買、 指導、 共済事業を継続する。

 組合員は、 これまで通り新会社のプラントに原乳を納める。 新会社は、 組合員の原乳で 「氷上牛乳」 や 「低温殺菌牛乳」 「たべちゃえ丹波」 など、 既存商品の製造を続ける。

 氷上郡酪農農協として1949年に発足。 当初は原乳を缶に詰め、 雪印や明治などの大手に販売していた。 71年に牛乳加工工場棟を新設し、 200ミリリットル紙パック牛乳の製造を始めた。 92年にハードヨーグルト、 98年に飲むヨーグルトの製造施設をそれぞれ整備した。

 同組合の看板商品に成長した 「低温殺菌牛乳」 は、 85年に供給開始。 98年には、 総合衛生管理製造過程HACCPによる牛乳製造承認を大手メーカーに先駆けて取得。 2001年に多紀郡酪農農協、 南但酪農農協と合併し、 兵庫丹但酪農農協となってからも、 大納言小豆、 黒豆、 ブルーベリーなどの特産品を使ったこだわりヨーグルトの製造などに取り組んできた。

 直近の64年度 (12年4月1日―13年3月末) 業務概要によると、 総売上高20億8168万4000円。 従業員数33人。 生乳生産量5966トン。

 1日あたり、 牛乳9万1800本 (200ミリ換算)、ヨーグルト5840個(100グラム換算)を製造。

 組合員27人 (13年2月1日現在) の内訳は、 篠山市2人、 丹波市17人、 朝来市と養父市各4人。 飼養頭数は、 篠山市22頭、 丹波市698頭、 朝来市116頭、 養父市124頭。 丹波市が搾乳農家戸数で63%、 頭数で73%を占める。 篠山市は、 農家戸数で7%、 頭数で2%。

 

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