青山祭壇の儀

2014.02.20
丹波春秋

 柏原八幡宮厄除祭の主神事、真夜中に執り行われる青山祭壇の儀に久々に参列。寒さ、眠さに弱いのでずっと敬遠していたが、厄年は61歳で卒業と思っていたのに、昨年一時体調を壊し、70歳もあることを知らされたのと、泊りがけの来客が強く興味を示されたので、思い立った。▼灯りがすべて消され、真っ暗闇の中、小豆や唐辛子など厄除けの食物の捧げられた祭壇の前で、宮司がさらさらと幣ぬさを振る。神官達の「ウォー」という声と共に、厄除の神様が降り立ってこられた。▼下界の方でオートバイを乗り回す者がいるのか、先程から場違いにうるさい音が響いていたのが、いつの間にかぴたりと止んだ。やや曇った空に、満月に近い月。参道に浮かび上がった木々がすごく高く感じられる。神官と共に各厄年の代表者が祭壇横の社殿に昇り、お祓いを受けた。我々にもお下がりの御神酒。▼社はあと10年で創建千年。この行事が連綿と続いていることに畏敬の念を覚える。医療が発達せず誰もが薄命、飢饉も頻繁、ちょっとした雨で洪水に見舞われた大昔、身の回りの無事を守るには神仏に祈るしかなかった。▼宮司さんによると、今年は19年ぶりに巡り来る「朔旦さくたん冬至」の年。冬至の12月22日が旧暦11月1日に重なり、物事が生まれ変わるめでたい年とか。気分新たに出発したい。(E)

 

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