宝塚歌劇

2014.03.26
丹波春秋

 誕生月のせいか、3月下旬になると心がはずむ。「すみれの花~咲く~頃~」と鼻歌が出る気分。▼数10年ぶりに宝塚歌劇を観に行った。「ラスト・タイクーン」という出し物。大恐慌の頃、ハリウッドに実在した天才映画プロデューサーがモデルの主人公を花組トップスターの蘭寿とむが演じる。▼「華麗なるギャツビー」のF・スコット・フィッツジェラルドの原作だけあって、なかなか骨太のストーリーだった。宝塚には全く無知で、蘭寿の名前さえ初めて聞いたが、すごく華のある人で、たちまちファンになってしまった。これが引退公演だそうで、後は女優として独立するのだろう。男役としても惚れ惚れする立ち姿。女を演じるのを想像すると、胸がときめく。▼宝塚には、今はそれぞれ母となった2人の娘が小学生の頃に連れて行って以来。その時の印象では、オーケストラがいまひとつで、華やかな舞台とアンバランスなのが気になったが、今回は結構良い音を出していた。くたびれた感じだった劇場建物も見違えるように立派になっている。▼埼玉県にいた熱心なヅカファンで、劇場に近い場所に移住先を探し求め、予算の都合で結局丹波に新居を決めた夫婦を知っている。今や東京には何だってあるが、宝塚と甲子園だけは別。折角近くに住んでいる自分も、もっと行かねば。(E)

 

関連記事