東日本大震災から3年

2014.03.12
丹波春秋

 「全国災害ボランティア議員連盟」の研修会での、谷公一・復興副大臣の講演録を読んだ。東北大震災と19年前の神戸との違い、復興についての考え方などが語られている。▼東北の場合は原発という未曽有の被害を含む上、面積があまりに広く、自治体も以前から過疎の所が多い。国は次々に法律を作り、懸命の支援策を打ち出しているが、それでも復興のテンポはのろい。神戸では震災3年後に仮設住宅の入居者がピーク時から半減したが、東北ではまだ9割がとどまっている。▼神戸震災時、兵庫県職員として国と折衝した谷氏は、政府側の担当者となっても、現場をよく見、被災者の目線での対応を心がけているという。「漁協、農家、大学、NPO、新聞記者、医師らに謙虚に耳を傾けたい。しかし良い顔をするのではなく、出来ないことははっきり言う」。▼宮城県紙の河北新報が最近、復興庁への評価について3県沿岸の20首長に実施したアンケートでは、「平均72点、15人が合格点」という結果が出た。立場上、甘く回答した首長もあったかも知れぬが、自治体とのコミュニケーションについて、全員が「◎」または「○」を付けているのが印象的だ。▼3年過ぎたからと言って支援の手を緩めさせないためには、やはり国民全体による被災地への想い、後押しが必要だ。(E)

 

関連記事