西宮在住の柏原高校同窓の友人が「こんな催しに行ったよ」と、チラシを送ってきた。芦屋市主催「第4回芦屋文学サロン」とあり、今年のテーマは「市ゆかりの詩人、富田砕花(さいか)没後30年記念の校歌祭」。▼砕花は同市内や県内一円の小中高校の校歌を作詞し、一覧表には1932年から77年まで31校が挙がっている。高校では甲子園でよく聞く報徳を初め長田、神戸商業、御影、姫路南など。柏原も入っており、近場では氷上西、西脇工業、八鹿なども。▼柏原のは山田耕筰が作曲。筆者は卒業以来50年、千回以上歌ったかもしれないが、「偉い先生が作ってくれたもの」ぐらいしか思わず、漫然と歌い流していた。3番の「虹ぞ綾織れひとおさに」の「ひとおさ」を、織物を数える単位とばかり思い込み、織機の「杼」と「筬」と知ったのは卒業後随分経ってからだ。▼チラシによると、1890年盛岡生まれの砕花は、与謝野鉄幹、晶子主宰の新詩社に参加した先駆的詩人。石川啄木の影響も受け、カーペンター、ホイットマンを日本に紹介した。芦屋へは病気治療のため転地し、谷崎潤一郎居宅のあとに入居、以後芦屋に定住したとか。▼この校歌祭では、講演と座談会の後、小中高5校のみの校歌が合唱された。柏原高でも文化祭などで、近隣の学校と組んで試みたら面白かろう。(E)