石田裕之さん制作・復興支援ソング 吹奏楽の楽譜を販売中

2014.03.23
ニュース丹波篠山市

写真・ 「やっぺす石巻」 の吹奏楽バージョンの楽譜を手にする石田さん=神戸市で

 篠山ゆかりのシンガーソングライターで、 東日本大震災の被災地支援活動を続けている石田裕之さん (33) =神戸市=が現地の母親らとともに3年前に制作した復興支援ソング 「やっぺす石巻」。 このほど吹奏楽バージョンが編曲され、 宮城のNPO法人が全国の吹奏楽団に向けた楽譜の販売を始めた。 「忘れないでね」 という東北の思いを曲にした石田さん。 「今になって歌の内容が当てはまるような気がする。 ぜひ全国で演奏してもらい、 東北への応援につなげてほしい」 と呼びかけている。

  「やっぺす」 は、 宮城県石巻市の方言で 「やりましょう」 という意味。 2011年7月に同市の主婦らで構成し、 復興支援活動に取り組んでいるNPO法人 「石巻復興支援ネットワーク」 (兼子佳恵代表) のメンバーから、 「石巻のために元気が出る歌を作って」 と提案を受けて制作した。

 吹奏楽バージョンは、 「やっぺす石巻」 の存在を知った大阪・兵庫の吹奏楽指導者でつくる 「吹奏楽勉強会WITH」 が 「中高生など吹奏楽に取り組んでいる人に東北のことを忘れないでもらうきっかけに」 と吹奏楽化を提案。 和歌山県の 「アラベスク・ミュージックワークス」 の夏目久さんが、 大編成と小編成への編曲と楽譜化を担当した。

 また、 大阪の高校生らが演奏したサンプル音源が動画投稿サイト 「ユーチューブ」 にアップされている。

 原曲のCD、 吹奏楽バージョンの楽譜ファイルが入ったCDともに1枚500円 (送料別) で同法人が販売しており、 売り上げは全て同法人の活動費に充てている。

 父親の実家が篠山市内にあることが縁で、 丹波篠山ふるさと大使も務めている石田さん。 11年5月に篠山市社会福祉協議会が運行したボランティアバスに乗り、 初めて宮城県へボランティアに赴いてから、 現在まで月に1度のペースで被災地を訪れ、 避難所や仮設住宅などでミニコンサートを行うなど被災者の心を癒やす活動に力を注いできた。

 当初から自身の楽曲をほとんど歌わず、 誰もが一緒に歌える曲の演奏をしてきた。 「震災当初は、 自分の歌でどうこうという状況ではなかった」 と振り返り、 そんな中でできた 「やっぺす石巻」 にも、 「宮城の人々の思いを代弁したという思いだった」

 しかし、 震災発生から3年が過ぎ、 「生活が落ち着いてきた今のほうが将来を考える余裕ができてつらい」 などの声を聞くようになったという石田さんは、 「自分がつくった曲ながら、 『まだ始まったばかり』 などの歌詞が心に刺さる思い。 今だからこそ、 曲を聞いたり、 演奏したりしてもらって、 被災地のことを忘れていないというメッセージを送ってもらえたら」 と話している。

 楽譜CDなどの購入は同法人の公式サイト (http://yappesu.jp/) から。

 

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