丁寧な説明モットーに
(ほんだ さとみ)京都市在住
1959年 (昭和34) 篠山市般若寺生まれ。 旧姓石田。篠山鳳鳴高校、立命館大学産業社会学部卒業。 同法科大学院修了後司法試験に合格、 弁護士に登録。 昨年9月に独立。
中学校教諭、 司法書士と異色の経歴を持つ。 「大学を卒業するころは、 公務員、 教師など以外に、 女子の就職選択肢は狭かった。 志望動機がはっきりしないまま、 教師の道を選んだ」 と振り返った。 京都市内で2年間、 社会科の教師を経験したが、 「違う道に進みたい」 という思いが強まり、 退職したという。
退職後、 取りあえず資格を取ろうと、 司法書士に挑戦。 独学で勉強し、 合格。 司法試験にも挑んだ。 「結婚して子供もおり、 無我夢中だった。 法科大学院では、 法学部出身ではなく、 珍しがられた。 色々なアルバイトもやりながらチャレンジし、 合格できた」 と話す。 「あんまり深く考えずにやりたいことをやってきた。 大学を出る時、 今のような生活は思ってもみなかった」。
弁護士としてのスタンスは、 相談者に対する納得のいく説明。 「説明不足からトラブルになることもある。 特に高齢者の相談には、 法律用語をかみ砕いて、 丁寧に説明している」 と言う。 「相談者は、 相談内容をすべて明かすとは限らない。 言いにくいこともあるだろう。 最初にじっくり話を聞くことに心がけ、 隠された事実を見抜けるような洞察力を磨きたい」 と語る。 弁護士活動の一方、 立命館大学の非常勤講師として、 学生を指導する。 現場からの実践の話題と、 京都地裁の建物を移築した法廷教室での模擬裁判は人気。
「村の同級生の男の子たちと山に入ってよく遊んだ。 高校時代は、 学校から帰ると家業の店を手伝うのが日課だった」。 パワーの源泉は篠山の少女時代なのかも。 最近、 篠山出身の学者や文化人らで丹波篠山文化会議が発足した。 「理事として、 規約作りを担当。 お世話になった古里に貢献したい。 そんな心境ですね」 とほほ笑んだ。