列島を襲う災害

2014.08.23
丹波春秋

  先々月の雹(ひょう)に続いて今度は集中豪雨。かつてない激甚災害だ。丹波地域はこれまで、比較的災害の少ない土地と言われてきたが、そんな認識は一変した。▼佐治川など大きな川は対策が進み、少ない被害で食い止められたが、どっと水が出てくる山沿いの地域がやられたのが今回の特徴だ。丹波地域の集落はほとんどが山の懐にあるから、今後どこがどう襲われるか全く油断できない。▼それにしてもこの夏はずっと途切れずに、列島全土のどこかが災害を被った。外国も同様らしい。従来もあった異常気象でなく、気候変動の影響ではと誰もが感じ始めている。極地の万年氷が溶け出し、海面の上昇、上空の気流変化に伴って巨大台風や竜巻がもたらされる。▼地球温暖化は長い年月をかけて徐々に進むのでなく、ごく近いある時期に来たら一気に、最早引き返せないところまで到達するとの説がある。今やその域にさしかかったかも知れない。▼温暖化対策の国際会議は先進国、途上国のエゴの衝突で遅々として進まない一方、各国は相も変わらず領土や国境を巡って争いを続けている。リーダー達は目先の敵よりも全地球的な敵へ国民の眼を向けさせてほしい。そして一丸となって立ち向かう。そのような集団的自衛こそ国際平和にもつながろう。(E)

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