天平2年 (730年) 創建の古社。 現在の本殿は慶応4年 (1868年) に建て替えられたもので、 見どころの多い神社建築である。 開運繁栄の神、 万物創生の神、 そして織物の神の三柱が祀られている神社として広く但丹地方からの参拝者も多い。
ここの拝殿には竜の彫り物があり、 その頭上では力士が梁を支えている。 2頭の唐獅子が前方ににらみを利かせている。 本殿の彫刻はすばらしいの一言だ。 立体感のある大きな竜、 その上に乱舞する唐獅子たち、 兎 (う) の毛通しの大きな羽を広げた鳳凰、 さらに屋根の上には、 巨大な鬼面が辺りを睥睨 (へいげい) している。 木鼻の唐獅子と獏の彫り物の美しさは言をまたない。 竜の背面に青竜軒の銘が印されている。
建物の時代からみて、 7代目中井権次正次の名作である。 また古社には、 4代目中井言次君音の多彩な名彫刻も見られる。
元高校教諭 岸名経夫