動物保護30年に幕 「たくさんの支援に感謝」 篠山市西本荘のボランティア

2015.02.01
ニュース丹波篠山市

30年間にわたって続けて来た動物保護活動に幕を下ろした堀家さん=兵庫県篠山市西本荘で

動物の保護に取り組んできた 「篠山動物小さな命の会」 (兵庫県篠山市西本荘) が1月31日をもって、 30年にわたる活動に幕を下ろした。 代表を務める堀家光洋さん (70) が昨夏より病を患っており、 残っていた犬や猫の引き取り先もほぼめどがついたため、 施設の閉鎖を決めた。 「最後まで動物たちの世話をしたかった。 さびしい思いでいっぱい」 と語る堀家さんは、 「自分一人の活動ではなく、 たくさんの方に支えていただいたおかげで続けてこられた。 30年の活動で、 一人でも多くの人が動物たちに関心を持ち、 人にも動物にも思いやりを持って接してもらえたらうれしい」 と呼びかけた。

30年前、 西宮市に住んでいた堀家さん。 道端に捨てられていた猫を保護した。 「保健所に持って行ったら殺処分される。 道に放っておいても死んでしまう」。そう考えた末、 自宅で飼い始めたことが保護活動のきっかけになった。

20年前、 阪神・淡路大震災が発生。 多くの住民が被災したことで、 保護する動物が急激に増えたため、 より広い土地を求めて、 篠山に移住した。

飼育放棄、 ブリーダーの倒産、 飼い主の死亡―。 篠山で活動を始めてからも、 さまざまな理由で居場所を失った犬や猫を保護し続けた。 多い時には、 犬、 猫ともに40匹ほどを保護していたが、 ボランティアスタッフや獣医師、 支援者に支えられながら、 新たな飼い主を募り、 動物たちの命をつなぐ活動に力を注いできた。 30年間、 続けてこられた理由は、 「やっぱり、 動物が好きだから」 とほほ笑む。

保護した子犬が数年後、 新たな飼い主とともに成長した姿を見せに来てくれた。 福祉施設でセラピードッグになった犬もいる。 トライ・やるウィークなどで受け入れた生徒たちが、 感謝の気持ちを込めて書いてくれた感想文は、 大切な宝物になった。 動物たちの幸せな顔を見るのが、 力の源だった。

堀家さんは、 「自分が思い通りにいかない体になって、 改めて思う。 元気な人なら誰でも動物の世話ができるのに、 簡単に飼育放棄をする。 人と同じように動物の命も大切に思って」 と訴える。

今でも、 「まだまだ続けたいという思いはある」 が、 「たくさんの人に支援してもらって、 これまでやってこられたことに、 本当に感謝したい。 きっと活動は無駄ではなかったと思っている。 思いを引き継いでくれる人が現れてくれるとうれしい」 と話していた。

 

 

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