羅漢山宝住寺(綾部市味方町井上寺)

2015.03.05
中井一統特集

 新綾部大橋を渡り、 国道27号線を右折して少し行った所にある。 往時は真言宗の井上寺と称していたが、 今は地名にその名が残っているだけで、 現在は臨済宗妙心寺派の禅寺である。 創建は永正15年 (1518年) の古刹。 毎年7月8日には、 きゅうり薬師大祭として有名な 「きゅうり封じ」 の行事が行われている。 小高い築山状にも見える裏庭には、 垢抜けした18体の羅漢さんが鎮座している。 住職さんは進取の気持ちを強くお持ちの方で、 ホームページにも多彩な文言が出ている。
 数は少ないが、 文政2年(1819年)建立のここの観音堂に、 なかなかの彫り物が目に入る。 正面虹梁の上に躍動感溢れる竜の彫り物がある。 鑿の冴えも素晴らしい。 とりわけ、 中井一統の彫り物のシンボル、 宝珠が中央に設けられ、 安定感を増している。 木鼻にも迫力ある獏が設えてある。 「彫り物師、 栢原住人、 中井権次正貞」 とある。

元高校教諭 岸名経夫
 

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