厄除八幡宮(篠山市曽地中)

2015.05.23
中井一統特集

 創建時不詳だが、 柏原八幡宮と同様に、 石清水八幡宮より分霊された神社。 祭神は応神天皇、 武内宿、 春日神である。 特に武内宿は長寿を全うした人物として、 また災厄を払う高徳の神として、 厄除の名を加えて厄除八幡宮と称している。
 急な石段を百数十段上って社殿に辿りつく。 三間社流れ造りだが、 虹梁が4つもある立派な本殿である。 向背の左右に阿吽の竜がいる。 兎の毛通しには、 鳳凰が大きく羽を広げている。 木鼻には2頭の獏、 中央向背の柱には、 麒麟が睨み合っている。 定番の唐獅子は前を向いている。 向背上部には謡曲高砂の尉と姥の彫り物が見える。 蟇股 (かえるまた) には鶴、 鷹、 山鳩、 唐獅子、 そして飛龍も見える。 肘木鼻には兎も彫られ、 手挟みには、 垢抜けした牡丹の籠彫りが見える。 さらに屋根の端にも鶴が飛翔している。 天保8年 (1837)、 6代目中井権次正貞と弟の中井清次良正用の合作である。

元高校教諭 岸名経夫

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