創建は1400年以上前の飛鳥時代。 標高939の笠形山の636付近に鎮座する古社である。 やっとのことで、 神社へたどり着く。 奥から4つの社殿が並んでいる。 本殿 (西宮) が最奥で、 1つ飛んで中宮がある。 誠に厳粛な神域である。
西宮と中宮に立派な彫り物がしつらえられている。 西宮には向背に竜の彫り物が見える。 木鼻には獏の姿があり、 欄間には鶴の彫り物もある。 脇障子がくり貫きの技量も素晴らしい。 中でも唐獅子の親が子どもを滝から落として力強い子育てをしている様子が見てとれる。 中宮には6代目の得意の麒麟が乱舞しており、 唐獅子と兎の彫刻も目を引く。 ここの脇障子は、 竜と中国の神仙説話の仙人が彫られている。 西宮は5代目中井丈五郎正忠、 相方の久須善兵衛政精、 息子の文吉 (後の正貞)。 中宮は正貞、 弟の清次郎正用、 相方の久須真助正美で、 それぞれ1800年代と1830年代の作品と思われる。
元高校教諭 岸名経夫