臨済宗(妙心寺派)の寺院である。 旧柏原町新井村の高見城址の麓、 「丹波悠遊の森」 に隣接した寺域全体が公園のような風情のある寺で、 春は桜、 秋は紅葉が美しく、 樹木の下の杉苔も心を癒やしてくれる。 また山門や鐘楼もその趣を一層際立たせている。
本堂向背の中央にある一見骨太の竜の彫り物が目を引く。 脇に大きな宝珠を掴み、 梁の間隔が狭いためいらかの伸びがみられないが、 右下方を睨んでいる様子は迫力満点である。 この裏面に 「栢原町中井権次正貞」 の銘が見える。 2014年 (平成26)、 丹波市市制10周年記念事業の一環として行われた講演会 「柏原の偉人、 中井権次を語る」 のポスターにも大きな写真が出ている。 木鼻には、 定番の唐獅子と、 一見、 獏と見間違いしてしまうような象の彫り物がある。 本殿の五百羅漢の版画襖16面 (幻一作) や四季図の南画襖10面 (安田虚心作) 等も拝観できる (要予約)。
元高校教諭 岸名経夫