財産「丹波栗」生かす
丹波市観光協会長や「やながわ」社長などを務め、丹波栗を地域の財産として、さまざまな活用を図っている。「丹波栗は地域創生のツールになると考えている。強いブランドとして生かすことが大事」と話す。
「今でこそスイーツなどとして店頭に並び、さまざまな活用方法が確立されつつある丹波栗だが、15年ほど前まで価値を見出せないでいた」と振り返る。原料や加工にコストがかかることや、旬が短く加工の時期が限定されること、製品にできる部分が少ないことなどがネックになり、加工を敬遠する業者が多かったという。
丹波栗を取り巻く近年の傾向について、「行政やJAなどの指導が行き届き、生産者の栽培技術が上がったと思う。栗の先進地に視察に行くと、『視察する必要があるのか』と言われるほど、丹波の栽培技術は高い」と話す。
地元・丹波市春日町野上野地区では今年、栗を活用した6次産業化を図り、数十年先を見越した地域づくりに取り組む株式会社「ゆめの樹 野上野」が設立され、約1・7の栗園を展開している。同社では専務を務めており、栗栽培や加工を柱にした地域循環型のまちづくりをめざしている。来夏には、食堂やお菓子作り体験など、丹波栗などを中心とした特産品を活用した施設もオープンさせる。
「いかに生かすかが大事。多くの仕掛けをすることで、雇用を含めて経済効果にもつながる。地域で連携を図り、さまざまな活用方法を考えなければならない。丹波栗生産の地として、都市部の人の受け皿となれるような地域にしたい」と話している。61歳。