丹波産をメニューに
(なかせ がくや)大阪市在住
1975年(昭和50)丹波市氷上町井中生まれ。40歳。柏原高校、奈良産業大学法学部卒。辻調理師専門学校を経て、京都の名門割烹「たん熊」や神戸のホテルで修業。2011年に独立。
飲食店がひしめき合う大阪北新地で和食バルを営む。店名にバルと名付けたのは、「和食を通じ、人と人の結びつきが深まるようなイメージを描いた」と話す。丹波産の野菜を材料にするなど、「丹波産メニュー」が売り。
この仕事につくきっかけは、大学時代。バックパッカーと呼ばれる安価なツアーで、アジア各国を旅して回った。色々な国の食事を味わったり、様々な異文化に触れたことで、日本の良さを改めて感じ、和食にも興味がわいてきたという。
「和食の良さは、素材を生かし、うま味を引き出すこと」と話す。「旬野菜のピクルス盛り」「もち豚と丹波のすだち蒸し」など60から70種類のメニューを用意している。
人気メニューは、トマトをカツオの出汁で煮込んだ「トマトのおでん」。「トマトを煮るという意外性が受けているのかも。料理には驚きが肝心。既成概念にとらわれず、色んな料理にアタックしたい」と意欲。お客さんとの会話や食材を仕入れる卸売市場に出入りする生産者から料理のヒントをもらうこともある。
「食を通して、家庭生活が豊かになれば」という思いが強く、店のメニューも家庭で出来るようなものを積極的に取り入れている。「小学校から高校まで野球に打ち込んだ。ふるさとでの生活がすべて楽しく、思い出は数えきれないくらい」と振り返り、「今この仕事に打ち込めるのは、ふるさとのおかげ」と感謝でいっぱい。
創作料理メニューの本やレシピ集にも店で出す料理が紹介されるなど、評判が広がっている。「実家の畑から父母や親戚などが収穫した野菜を送ってきてくれる。ありがたいですね」と笑顔を見せた。