日本発明振興協会関西支部長 西垣 哲さん(大阪市旭区)

2016.03.06
たんばのひと

企業つなぐ仲人に

 清掃用具の販売・レンタル、「ミスタードーナツ」などのフード事業で知られる「ダスキン」の元常務取締役(2001年退職)で、1965年の入社。創業者の鈴木清一氏が日本発明振興協会の関西支部(大阪府吹田市、06・6369・2331)を立ち上げ、その裏方を任されたことが縁となり、97年から同協会本部常務理事、同関西支部長に就任。歴代支部長には、鈴木氏、「アシックス」創業者の鬼塚喜八郎氏などそうそうたる顔ぶれが並ぶ。同支部長はこれまでに延べ10年務めている。

 同協会は、優れた技術や開発力を持つ中小企業が活発に集い、英知を凌ぎ、産業の活性化につなげようと、優れた発明を表彰したり、発明研究に関する相談や奨励金の交付、交流・見学研修会、子ども向け発明教室の開催―などの事業を推進しており、60年以上の歴史がある。同協会は昨年、丹波市市島町に工場を持つ「サンパック」社が開発した足洗ブラシを「関西発明大賞」に選んだ。

 「名前は知られていなくても、その分野では世界一といえる技術力を持つ会社がある。そんなモデル的な会社とをつなぐ“仲人”の役割を担いたい。技術力のある会社の問題意識に直に触れ、肌で感じることで、何かのヒントになるはず」と、丹波地域の企業にも期待する。

 「人づくりを考えた物づくり」「人の喜ぶ顔を自分の喜びにする」―。ダスキン時代に体に染み込んだ思いを胸に「未来を見つめる人、“明日”に興味のある人に自分を利用してほしい」と話す。

 毎週末、山南町太田の実家に帰り、地域の日役や行事にも参加している。78歳。

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