「高城山へ登ろう会」幹事 山口喜昭さん(篠山市野々垣)

2016.06.05
たんばのひと

山頂へ誘うきっかけに

 国指定史跡の八上城跡がある高城山をたくさんの人に知ってほしいと始めた「高城山へ登ろう会」―。毎年、「こどもの日」(5月5日)に実施し、約50人が新緑の中、渓流沿いのコースを楽しんでいる。4年目を迎えた今年も約40人が参加。当日以外にも「登山コースを案内してほしい」という依頼が舞い込むようになった。

 高城山の登山コースは7つあり、そのうち最もなだらかな「野々垣市の谷コース」の登山口近くに自宅がある。篠山を離れて暮らし、たまに帰省した際にも出迎えてくれた高城山に「ほっこりした」。

 四国・高松で定年を迎え、6年前に帰郷。高城山のふもとで暮らすようになり、地元の子ども会行事で登山をした原風景がよみがえった。「思いつきだけ」で動いた。自分でチラシを作るなどして2013年5月5日に初の「登ろう会」を開催した。

 会を開いてみると、個人で登っていた時には気づかなかった登山道の危険個所が気になり、翌年からは有志の協力を得て登山道を整備し、標識を立て、山頂の見晴らしをよくするなど、手弁当で環境を整えている。また、山頂でデカンショ節の輪を広げたり、高城山にまつわるクイズを出題するなどして参加者を楽しませている。それも「その時の思いつき」と笑う。

 「『登りたいけれど、機会がない』という人は多いと思う。自分がそのきっかけになりたい」と話す。「自分でイベントを開いたり、あちこちと顔を出すのも、いろんな“目線”の人と話すのが面白いから。人と知り合い、つながっていくのを自分自身が楽しんでいるんです」。高城山を見上げながら微笑んだ。66歳。

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