全国最優秀賞に導く
篠山東雲高校の農業教諭。10月に大阪・堺市で行われた「日本学校農業クラブ全国大会」のプロジェクト発表で、昨年度から放置竹林の竹の活用方法を研究している同校「ふるさと特産類型」の生徒たちを最優秀賞に導いた。同校初で、県内でも全国最優秀賞を獲得しているのは県立農業高校との2校だけ。
竹を粉砕したチップを下水汚泥に混ぜて堆肥化したり、家畜飼料として活用、また、竹を燃やして水素を取り出すボイラーや、竹製農業用ハウスを製作するなど、地域の人を巻き込みながら展開した研究が高く評価された。
同校特別非常勤講師の三輪邦興さん(丹波市氷上町)から「竹粉で黒豆を作ってみないか」と提案を受けたのがきっかけ。最初は黒豆畑に草抑えとして敷くことから始めた。様々な人がアイデアを持ってきてくれたり、協力を求めてくるうちに研究内容は多彩になった。
昨年の農業クラブ県大会。手応えはあったのに最優秀賞を逃す口惜しさを味わった。「小規模校なのに、こんなことまでできるのかということを証明したかった。賞を取るためにやっているのではないけれど、地域の人にも関わっていただいている以上、1位を取ったと報告したいと思った」と振り返る。
以降、より専門性を高め、地域により密着した取り組みを意識した。生徒にも向上心が見え、自らで考え、楽しむ活動になっていった。大会では、研究成果とともに自分たちで汗して動いたしんどさや思いが伝わる発表にしたという。
「将来、篠山に戻って、それぞれの立場で地域の問題が解決できる生徒を育てたい」。伊丹市出身。27歳。