心と体、競争に強い子に
小学生に運動の楽しさを伝えたり、健康増進を図る3つの陸上クラブで代表監督を務める。体の仕組みや筋肉の動き、心理面の理解など、診療放射線技師時代に培った知識を生かし、指導に当たっている。
中・高学年が対象の「丹波ジュニアランニングクラブ」、低学年向けの「丹波ジュニアアスレチッククラブ」、レクリエーションを多く取り入れた「春日ぽっかぽかクラブ」。いずれのクラブも共通しているのは、子どもの成長に合わせた指導を行うこと。鬼ごっこなど遊びの要素も盛り込み、運動能力のアップにつなげている。一方で、日本陸上競技連盟などの指導資格を持ち、高学年には本格的な“陸上”も教える。
幼いころからスポーツに親しんだ。専門学校生になるとボクシングに熱中。アマチュアながら、当時の世界王者のスパーリングパートナーを務めたことも。ボクシングの練習としてロードワークをこなすうちに、走ることに興味を持った。
診療放射線技師として宝塚市の病院に勤めていたが、10年ほど前にUターン。「これまでの学びを地域おこしに生かしたかった。50年後にも残っている地域事業は何かと考えたとき、自分の中では健康も図れる陸上だった」と振り返る。
子どもの“内面”を理解することを大切にしており、それが潜在能力を引き出すことにつながるという。「そのためには、自分を高める必要がある。無声映画を観て感情を読み取ったり、俳句に込められた思いを考えたりと、自分磨きにも力を入れている」と話す。「環境が変わっても、心と体、そして競争に強い子を育てたい」。47歳。