着物の奥深さ感じる
4月23日に柏原藩陣屋跡で開かれる丹波布ファッションショー「卯月の宴」の発起人。歴史建造物の庭に“ランウェイ”を設け、市民モデルが丹波布をまとって歩く。
数年前まで、和服は浴衣を何度か着た程度だった。次女の小学校入学式を前に、「自分で着付けして出席しよう」と思い、柏原町で行われていた着付け教室に通った。「着物だと所作がきれいになるし、大人っぽく見えるかなと。子どもっぽい性格なので、着物を着ることで、外見と中身のバランスを取りたいという思いもありました」と笑う。
長じゅばんの襟の美しい見せ方、帯の締め方など、何度も着物に袖を通すうちに、奥深さを感じたという。「着付けが上手な人は、着物を着た後ろ姿がきれい」と言い、そこに女性らしいたたずまいを感じている。
しばらくして、国指定選択無形文化財の丹波布の存在を知った。反物などでは見たことがあっても、実際に着ている人を目にしたことがなく、着用した良さを知りたいと感じたという。丹波布作家の協力も得て、丹波布の魅力を伝え、親しみを持ってもらう機会にとファッションショーを企画した。「素朴な風合いの丹波布だけど、帯や帯締め、帯揚げなど、色の組み合わせで印象が変わる。丹波布を衣装としてとらえたとき、どう見えるのかを感じてほしい」と話す。
1カ月に一度は、着物を着るようにしているという。知人と着物でランチに行くことも。「洋服では着られないような色でも、着物だと無理なく楽しめるときもある。同じものを何世代にも渡って着られるのも魅力ですね」。39歳。