ろう者で手話広める丹波市臨時職員 徳田真紀さん(丹波市柏原町柏原)

2017.06.18
たんばのひと

「手話で会話」当たり前に

 生まれつき耳が聞こえないろう者。丹波市が主催する手話講座の講師を務め、4月から丹波市の臨時職員として市春日庁舎の障がい福祉課で勤務する。事務のほか、市民向けの啓発を担当する。「市民みんなが当たり前に手話で会話できる環境を作りたい」とはりきっている。

 姫路市内で会社員をしていた時に知り合った夫の故郷の丹波市に2006年に越してきた。小学校1年生と2歳の2人の子どもがいる。以前から手話講師をしていたが、子どもがきっかけで、近所の人、保護者、保育士など多くの人とコミュニケーションをとる機会が増え、「普通に手話で会話ができるまちにしたい」と思いが強まり、市の職員に応募した。パソコンなど事務能力が備わっていることに加え、健常者が気づかない視点からの意見が聞けると、採用された。

 周囲に手話に興味を持つ若い母親がいたことから、夜間のみだった講座を昼間に託児付きで開くことを提案。ねらいは当たり、乳幼児を連れた母親が多く集まり、担当者を驚かせた。

 見た目で、障がい者と気づかれないのが聴覚障害。ろう者が働いていることを知らずに春日庁舎を訪れた人が「声をかけたのに無視された」と気分を害すことがないよう、自分がろう者と来庁者に伝わる表示ができないか思案している。「聞こえない人がいる」ことを知ってもらうことも障がいへの理解を進める一つと考えている。

 丹波市は昨年度、「丹の里手話言語条例」を制定した。これから市民向けの啓発活動を企画、実施していく。「手話は言語。理解が進むよう、私からがんばって広めたい」。42歳。

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