想像膨らむ楽しさを
もう“お馴染みの声”になっているかもしれない。篠山市で、大人のための朗読会「くろまめいと」や、ゴスペルグループ「ゴスペルソウルサウンド」の代表を務めるほか、子ども向けのお話会「かがやき」、味間小学校のブックサポーター、丹波市のFM「805たんば」のパーソナリティー、そして各種イベントの司会…。丹波地域に、その明るい声を届けている。
幼い頃から「かわいい声ね」「きれいな声ね」と言われることが多く、「自信になっていたのかも。調子にのっちゃう方なので」と笑う。自然と人前で話すのが楽しくなっていた。
代表を務める「くろまめいと」(5人)は2005年に結成した。目の不自由な人に音声情報を届けるボランティアの代表をしていた小島典子さん(篠山市般若寺)が発起人。「目の見える人にも、頭の中でイメージが膨らんでいく楽しさを知ってほしい」という思いに共感した。月1回、篠山市立中央図書館で開催。最近は、仕事の都合で定期開催にブランクができていたが、今年1月から隔月開催で再開した。
大人を相手にする時は、それぞれの多様な経験に基づくイメージの妨げにならないよう淡々と読む。これまでの朗読会では聞き手の感想を聞く機会がなかったが、4月に友人2人と桜並木をバックに朗読ライブを開催。食事をしながら来場者と話す機会があり、「初めて手応えを感じた」という。
朗読ボランティアが高齢化などで減っている現状もある。「聞くのが好きな人は、読むのも好きになるはず。スペースをとらず、どこでも誰でもできる。聞く人、読む人、両方が増えていけば」と願っている。54歳。