野球愛する心称えたい
26チームが出場した全国高等学校女子硬式野球選手権大会。主催者の全国高等学校女子硬式野球連盟会長を約12年つとめ、夏の大会を最後に引退した。
旧市島町でスポーツ振興にかかわる人たちの間からスポーツピアいちじまのこけら落としに、大会を誘致しようという話が持ち上がり、2000年春の選抜大会が実現した。
04年に夏の選手権大会が誘致された時、成美学園の理事長を務めていたこともあり、長年の教育経験を買われて連盟会長に推された。「女子硬式野球部のある学校は、当初5校だったが、こんなに増えるとは夢にも思わなかった。野球関係者の尽力のおかげ」と感謝する。
女子高生の礼義正しさやひたむきに全力投球するはつらつとしたプレーが好感を呼び、ファンも増えた。その一方で、「試合中に選手同士がぶつかり、病院に担ぎこまれたり、熱中症になった選手もあったが、重大事態に陥らずほっとしている」と言い、選手の安全が何より気がかりだったという。
女子高校野球の華やかさに注目が集まる時代。「教育の一環ということを忘れてはいけない。このことを役員や監督などに言い続けた」ときっぱり。「負けたチームに駆け寄り、監督や選手をねぎらうことにも心がけた。勝者は大勢から祝福される。勝負よりも大切な野球を愛する心や熱意を称えたかった」と話す。12年余りの間に女子の甲子園と呼ばれるほどになった。「地域のみなさんの支援のたまもの。女子野球にかかわれて本当に良かった」と笑顔を見せた。
福知山女子高校長などを経て成美学園理事長を80歳までつとめた。田畑の世話が日課で元気の秘訣とか。91歳。