「発案実行」業界けん引
兵庫県丹波市春日町黒井を本部に、ゆめタウン丹波(同市氷上町本郷)、舞鶴市、朝来市で「きもののほそみ」「華レンタル&フォトスタジオ遊」の4店を展開する「細見互福グループ」の会長。京都市に本部がある、北海道から九州までの呉服商約50社でつくる、最大の小売り業界団体の5代目理事長。在任6年になる。「発案実行」を掲げ、モナコ、台湾の故宮博物館、京都清水寺などで大規模な「着物のつどい」を開いてきた。着物の糸を産出するカイコの餌となる桑の木の植樹活動を南丹市美山町で行うなど、様々な事業を形にし続けている。
昭和末期に2兆円の売り上げがあった業界は、3000億円弱まで縮小。丹波市内でも70軒ほどあった店が数軒にまで減った。「店舗が減った分、商圏が広がっている。お客さんは、本当に欲しいものは、労を惜しまず買いに来てくれる」と前向きに考える。
顧客の開拓と維持に必要なのが、新商品、新サービスの創造と、ブランドの構築。組合で研究に取り組み、形にした新サービスの一つが写真スタジオ。振袖の販売、レンタルと連動させ、相乗効果を生んでいる。
協同組合の理事長のほかに、和装生活の普及と和装文化の振興をめざす、全国1400事業所でつくる「日本きもの連盟」(本部京都市)の副会長も務めている。現在の大きな仕事は、和装(着物)の世界遺産登録だ。
27歳で父から家業を継いだ。着物に特化し、大きく成長させた会社を今月で退職し、代表権も手放す。新たなビジネスに挑戦するためだ。「もう一度、勝負したい。気分は、まだまだ50代」と豪快に笑った。66歳。