特産物の商品化で元気に
薬草薬樹公園、兵庫医療大学などと連携し、薬草の産地向上を進めている丹波市山南町和田地区の自治協議会「ふるさと和田振興会」会長を務めて5年目。県の助成を受けて2020年度まで薬草を使ったさまざまな事業を計画している。
昨夏、同大と同公園の連携事業を知り、地域も連携に加わろうと、昨年10月に開催された「漢方の里まつり」に、同まつり実行委員長として同大に参加を呼びかけた。まつりでは地域を挙げて薬草を使った食事や催しを提供。約3000人の集客を得た。「地域が元気になるためには、地域の一大イベントを盛り上げるのが一番。地域住民が自信を持ち、結束する足掛かりとなった」。
まつりによる結束は拠点施設の活性化にもつながった。地域住民が気軽に集えるサロンを開設。さらに、未就学児親子の交流の場、趣味サークルの活動の場としても利用されることに。「地域の課題には、まず住民が結束することで解決の方向性が見えてくるのではと思う」。
このほど、地元の製麺所、同大と連携し、薬草「トウキ」の葉を練り込んだうどんを開発した。今年10月の漢方の里まつりで披露する。「地域の事業所を元気にするのも地域を活性化させる大切な役割」。うどんの次は特産の若松を使って商品化を狙う。正月用の若松の、捨てられる下枝を使ってミニ門松作り教室を12月に計画。「無償のボランティアでは続かないのでは。特産物を生かして収入になれば、担い手不足を解消することにつながると思う」。
定年まで金融機関で勤めた。「地域から離れていたので、地域に恩返しするつもりでがんばりたい」。68歳。