被災地の今

2018.04.05
丹波春秋

 高校同期の仲間と3年半前の集中豪雨被災地、市島町の復興状況を見学。

 最も被害が目立った前山の谷上集落では、被災直後の惨状はすっかり取り払われ、新しい家も建っているが、再建できず空き地になったままの場所もいくつか。土砂崩れが起きた山筋は、どこもびっしりと砂防ダムや堰堤が築かれている。

 集落から少し奥の山腹を上った所にある東皐寺は、山門前の観音様が実に良いお顔。しかし本堂は跡形もなく、屋根の崩れ落ちた釣鐘堂が無残な姿。裏山には県内最大級と言われる幅100メートル以上の堰堤がそびえ立つ。境内は市が復興砂防公園として整備し、防災学習拠点になるそうだ。大杉ダムへの車窓から望む山々も、谷という谷に堰堤やダム。

 本堂がシンボル「四神相応の庭」もろ共土砂に埋まった竹田の石像寺で、佐久間住職から話を聞いた。スライドの航空写真を見ると、「磐座」と呼ばれる裏山の巨大岩が、すぐそばで起きた土砂崩れから間一髪逃れられた様子がはっきりわかる。「この岩が落ちて来ないかと、檀家の皆さんが心配していたんです」。幸いその事態は避けられ、寺宝の小川芋銭の絵も奇跡的に助かって、本堂も庭も見事に復旧した。

 「色々なことがあったが、復興が比較的短期間に進んでよかった」と話しながら帰路についた。(E)

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