夏合宿の経験が今に
ベルギーのモンス王立音楽院に留学中。8月19日に故郷の青垣町遠阪自治協議会が主催するクラシックコンサートに、ホルン、ピアノのトリオで出演する。
バイオリンは、「一番熱中できるもの」「自分の中で、一番自然な表現方法」という。父がブリュッセルの日本人学校に勤務した関係で、小学4年生からの3年間を同地で過ごし、夏休みに音楽祭のための演奏合宿に参加したことが今につながっている。
様々な国籍の9―18歳くらいが城に集まり、カルテットやクインテットを組んで演奏した。「それまで自分1人のために練習し、演奏していた。アンサンブルの楽しさを経験し、新しい音楽に出会ったようだった」。進路を決める中学3年生になり将来を考えた時、頭に浮かんだのがあの夏の経験だった。
柏原高校時代は毎日最低4―5時間、休日は7―8時間練習した。「夜遅くまで音を出しても怒られない、いなかに住んでいて良かった」。京都市立芸術大学卒業後、兵庫芸術文化センター管弦楽団を経て、再びベルギーへ。大学院の指導者をはじめ、多くの教師につき、自身の引き出しを増やしている。その傍ら、フリーの演奏家として、フランダース歌劇管弦楽団を中心に、「エキストラ」という立場で活躍中。正団員は狭き門で、1人の欠員に、応募者が数十人、多ければ100人を超える。
現地で感じた音楽との付き合い方として、楽団の一流の音楽家が、気軽に別の楽器を習い始める、というのがある。いろんな楽器、音楽と関わろうという「音楽を楽しむ」「探求する」姿勢にひかれ、自身も「長く音楽と付き合う」方法を考え始めている。丹波市青垣町山垣出身。27歳。