兵庫県丹波市は、2700円と県内一高い下水道使用料の基本料金(基本水量10立方メートルを含む)の引き下げに向けた議論を、10月に開かれる下水道事業運営審議会から本格化させる。現状、使用量が少ない世帯に負担が偏っており、大量使用者とのバランスを見直す。
基本料金と、基本料含む10立方メートルの基本水量、120円と180円の2段階しかない基本水量超過分の従量料金区分を増やすことを議論する。
例えば、使用水量10立方メートルの場合、丹波市は2700円。2位の多可町の1950円と比べても1・38倍高い。一般的に料金比較に使われる使用量20立方メートルでも、香美町の4170円に次ぐ3900円と、県内2番目の高額になっている。
2段階の設定しかない丹波市の従量料金の区分は県内で最も少なく、2段階は丹波市のみ。西宮市と明石市は10区分設けている。大口使用するほど負担が少ない料金体系で、50立方メートル使用では県内38市中15位、500立方メートル使用では38市中29位と、順位が下がる。
少子高齢化、核家族化、単身高齢者世帯の増加で、月の使用量が2700円の基本料金に含まれる基本水量10立方メートルまでの世帯が28・2%あり、これら世帯には基本料が割高になっている。市によると、1人暮らし世帯の使用量は月6立方メートルほどで、使っていない4立方メートル分も現状は基本料金の中で負担している。従量料金が1立方メートル180円になる60立方メートル以上の使用者は、わずか2・6%。
月使用量11―20立方メートル未満世帯の28・5%を合わせると、半数以上が「県下2番目」の高額な使用料金を負担しており、公平性の観点から見直しが必要と判断した。
将来にわたって施設の維持管理が必要になることから、現在年間11億円ほどの使用料収入を確保する前提で、負担のあり方を見直す。
県内で基本料金が最も安価なのは神戸市の470円(基本水量なし)。
丹波市が隣接する篠山市は基本料金900円、20立方メートル使用で2700円。多可町は、基本水量1500円、20立方メートル使用で3450円。朝来市は基本料1428・7円。20立方メートル使用で2854円(いずれも税別)。
丹波市は2004年、氷上郡の旧6町が合併して誕生。氷上郡時代に旧6町でバラつきがあり、旧6町の中でもバラつきがあった複雑な料金体系を2011年度に市内一本化した。