黄金色に輝く「黒豆硝子」販売 篠山市西谷のガラス工房で

2018.09.09
ニュース丹波篠山市地域

黄金色に輝く「黒豆硝子」

ガラス原料に黒豆を燃やした灰を混ぜ込んだ「黒豆硝子」の販売を始めた宮崎英彦さん、恵巳さん夫婦=兵庫県篠山市西谷で

兵庫県篠山市西谷で「ガラス工房るん」を開くガラス作家、宮崎英彦さん(38)、恵巳さん(43)夫婦が、原料(ガラスの砂)に篠山特産の黒豆の灰を混ぜ込んだ「黒豆硝子」の販売を始めた。鮮やかな黄金色に輝く作品は「他に例がない色合い」と言い、高級感も漂う。今後、普段使いの食器類を中心に、一輪挿し、アクセサリーなどの商品を本格的に展開していく。灰にする黒豆を確保するのに、自家栽培したものに加え、地域の人たちが持ち寄ってくれた。「村の人たちの協力がなければできない。村の人たちにいろいろと助けてもらって、できあがったガラス」と感謝している。

根以外を全て燃やして灰にする。原料にするにはまとまった量が必要になるが、地域の人たちに構想を話すと、売り物にならないものや余っているものを持ち寄ってくれた。地域の生産組合の作業を手伝って黒豆をもらったりもしながら、窯のメンテナンスに入る冬場に実験を始めた。

「ダメもとで、どんな発色になるのか想像もつかない」ところからのスタート。最初は黄金色だったのが、次第に鮮やかなグリーンで安定していた。「黒豆硝子」の本格展開に向けて今夏、窯を増築。あわせて、より光沢の出る原料に変えたところ、再び“幻の黄金色”が出始めた。「びっくりした」と英彦さん。引き続き安定した色合いが出る灰の配合を試し続け、「黒豆を使っているからこその、オリジナルの色合いが出せるようになった」と話す。

英彦さんは、「畑を貸してくれたり、助けてくれた近所の人たちの協力があってこそ。恩返しの意味も込め、小さな力だが、黒豆硝子で『篠山』を発信し、まちおこしにも協力できれば」と話している。

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