「母の日になんにもしないそれがうち」―。兵庫県篠山市立岡野小学校4年生の青木舞佳さん(10)の詠んだ俳句が、「第12回佛教大学小学生俳句大賞」の高学年の部で選考委員特別賞に選ばれた。応募総数2万句を超える中での受賞。「嘘はつけないし、普通に思ったことを書いた」という青木さんは、受賞報告を受けた後の下校はスキップをして帰ったといい、「びっくりしたけれど、めちゃめちゃうれしかった」と喜んでいる。
青木さんは、今年度から始まった同校の「俳句クラブ」に所属。地域住民で篠山市俳句協会顧問の松葉久喜さん(81)に師事し、俳句を学んできた。
受賞作品は、クラブがスタートしてすぐの昨年5月に、「母の日」にちなんだ作品をつくる中でうまれた。「好きなことは好き、嫌いなものは嫌い」という竹を割ったような性格の青木さんならではの素直な作風が評価され、選考委員代表で俳人の坪内稔典さんが特別賞に選んだ。
高学年の部の応募総数は2万1168句。最優秀賞1句、優秀賞4句に次ぐ6句の特別賞に入った。同校から俳句大賞への応募は初めてだった。
俳句の楽しさを、「五・七・五という限られた言葉数の中で良い句をつくることがおもしろい」と話す青木さんは、「うちでは母の日に何もしないけれど、お母さんには感謝している。何も言わずとも思っているだけで十分」ときっぱり。「賞を狙うことはない。でも、もらえるものならもらいます」とはにかんでいた。
松葉さんは、「『それがうち』と決定的に言い切るところがおもしろい。これからも俳句を詠んでくれたら」と喜んでいた。