浮かび上がる桃色の回廊 住民らコツコツ植栽5500株 「人呼ぶ資源、自分たちで」

2019.04.25
ニュース丹波篠山市地域自然

見頃を迎えているシバザクラ=2019年4月22日午後零時5分、兵庫県篠山市倉本で

兵庫県篠山市倉本で、ピンクや白のシバザクラが見頃を迎えている。住民らが2010年から植栽を始めたもので、現在、約50アール5500株。18世帯という規模の小ささに加え、20歳代以下の子どももいない集落で、特筆するような史跡などもない中、「人を呼ぶ資源は自分たちの手でつくる」と活動を続けており、道行く人が足を止めて花を愛でるなど、小さな花の集まりが交流人口の増加に一役買う。

県道97号線沿い。集落を流れる川を縁どるように濃い桃色の回廊が浮かび上がっている。

田畑ののり面や川の堤防に植えられている桃色の花はダニエルクッション、白はモンブランというシバザクラの品種。都市部の住民を招いて植栽を手伝ってもらいながら交流したり、住民が草取りなどの世話をしている。昨年から開花時期に「花まつり」と記した横断幕やのぼりを立てて、道行く人にPRしている。

倉本のほか、垣屋、高坂、坂本集落でつくる「川上地区農地・水・環境保全向上対策協議会」が国の交付金制度を活用した事業。

同協議会役員の井貝敏夫さん(65)は「どこにもないオンリーワンの活動。みなさんに優しく受け止めていただける活動なので、毎年株を増やし、長く続けていきたい」と話している。

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