廃校の小学校が木材の魅力発信基地に 地元の製材業者「木育」などに活用

2019.05.20
ニュース丹波市地域

教室を改装し、木栄の木製品の家具などを置いたカフェ=兵庫県丹波市青垣町で

廃校になった小学校が地産木材の魅力発信基地に変身―。兵庫県丹波市青垣町の旧神楽小学校が、国産材、県産材の魅力や価値を発信する施設「FOREST DOORしぐら」として生まれ変わった。「森への入り口」の思いから名付け、木製品の展示販売、木のおもちゃとのふれあい、地域交流機能などを持つ施設の内覧会を26日午前10時から開く。

市から土地建物の無償貸与を受け、地元の製材業、木栄(青垣町桧倉、森下清光社長)が活用する。玄関と昇降口をつなぐウッドデッキを設けたほかは、外観や内装をなるべく変えず、小学校の雰囲気をとどめるよう工夫した。

1階は木製品の工房。正面玄関がある2階は、旧職員室が事務所、校長室は、同社が納めた木を、知育玩具などに製品化してもらった「木育」商品の展示販売場所。教室は、同社が製材した床材、壁材の展示や開設を予定しているカフェに。

3階の教室は、木のおもちゃで遊ぶ部屋などのほか、いくつかの教室を地元の創作グループに提供。神楽小の写真などを集めた資料室もある。

体育館には、同社が新開発した、普段は家具として使え、工具なしで災害時の避難所の間仕切りに組み換えられるスギ板のキットを展示。特別教室棟は、シロアリの研究や木工教室などに使う。

内覧会が26日に開かれる「FOREST DOORしぐら」=兵庫県丹波市青垣町で

午前10時にオープニングセレモニー。市長、同社会長らのシンポジウム「廃校活用を通して目指す将来像」も。青垣中吹奏楽部らによるコンサート、紙粘土、刺繍などの展示、飲食バザー、各種体験講座も。

森下社長は「多くの人に集まって見てもらって、地域と共に盛り上げていきたい。製品展示場としてだけでなく、国産、県産材を使うことが資源の循環、森林の再生にもつながるといった環境面からの発信もしていきたい」と話している。

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