子ども巻き込む事故想定 人形使い、現場再現 警察と消防が合同訓練

2019.07.01
ニュース丹波篠山市地域

通学途中の小学生の列に車が突っ込んだ事故想定で訓練に励む消防と警察=2019年6月25日午前9時10分、兵庫県丹波篠山市郡家で

2012年4月に亀岡市、今年5月には大津市など、近年、子どもが巻き込まれる大きな交通事故が多発していることから、兵庫県篠山警察署と同県丹波篠山市消防本部は25日、同警察署北側の市道で、通学途中の小学生の列に車が突っ込み、多人数が負傷したという交通事故を想定した合同訓練を行った。

警察、消防から計約25人が参加。実際の回線を使った無線で情報伝達の手順や要領を確認したほか、消防は負傷者の救護にトリアージを用いた訓練を実施し、警察は実況見分を行うなど、両者がそれぞれの役割を確認しながら、連携の大切さを再認識した。

小学生に見立てた体長約1メートルの人形10体をあちらこちらに横たわらせ、凄惨な交通事故現場を再現。警察は2次被害防止などのために事故現場を速やかに封鎖し、負傷者の救護のほか、被疑者と被害者、目撃者らと共に実況見分を実施。消防は応急救護所となる大きなテントを設営し、負傷状況に応じて治療の優先度を決めるトリアージを行うなど、緊迫感が漂う現場で訓練に励んだ。

同警察署の松原太一交通課長は、「連携の取れた訓練が行えた。訓練の検証や分析を行い、より効果のあるものにしたい。いざというとき、一人でも多くの命を救えるよう訓練を重ねたい」とし、同消防本部の大内俊也署長は、「初動の大切さに改めて気づけた。シナリオのない実践的な訓練のため、失敗があったかもしれないが、しっかりと振り返り今後に生かしたい」と話していた。

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