夏の高校野球は丹波地域から3人の球児が出場。準決勝では清水投手(氷上中出)の履正社(大阪)と中森投手(篠山東中出)の明石商(兵庫)が対決というかつてない事態で、小紙も記者4人を派遣して取材に当たった。
県予選で柏原高校の前に仁王様のように立ちはだかった中森が、たじたじとなる程の履正社の超強力打線。中盤以降は持ち直したものの、味方打線が第2投手の前にいつもの粘りを欠いて、明石の完敗となった。履正社のエース清水はブルペンに姿を見せただけで、やはり同校の実力が1枚上回ったようだ。
今大会は従来にも増して打撃優位。準決勝までに2桁得点が7試合もあった反面、1対0の投手戦は1回戦の2試合のみ。7対6とか6対5が少なくなく、3ランや満塁本塁打でひっくり返った試合も珍しくなかった。
地方の高校がぐんぐん力をつけているのも顕著。決勝まで進んだ星稜(石川)を初め敦賀気比(福井)の北陸勢、また仙台育英(宮城)、八戸学院光星(青森)、鶴岡東(山形)など東北勢の健闘が光った。
近年は強いチームを目指して北や南の私立校に全国から球児が集まる。そんな中で制約のある明石商の活躍は嬉しい。丹波地域の公立校も、清水や中森級の選手を引き留められるような力をつけて立ち向かっていってほしい。(E)