御神木にあやかり仲睦まじく―。兵庫県丹波市春日町の木寺自治会は、「厄神様」として祭っている御神木のサカキを「夫婦榊」と名付け、祭り始めた。このほど御神木を囲う玉垣を改修した際、御神木の幹が根元付近で2つに分かれ、寄り添いながら成長していることを確認し、「まるで夫婦のようだ」と話題になったことから命名。改修工事世話役の男性(68)は、「地元でしっかりお守りしていきたい。夫婦でお参りしようという方がおられたら幸いです」と話している。
2つに分かれるも寄り添う
夫婦榊は丹波市指定文化財「野村城跡」内にある。戦国時代、黒井城の属城だった城で、現在も土塁などの遺構が見られる。戦国時代、明智光秀の「丹波攻め」の際に落城したと伝わっている。現在は同自治会の公民館や八幡社が建っており、夏のラジオ体操が行われるなど地域の憩いの場になっている。
御神木は高さ5メートルほど、根本付近の幹周りは50センチほどある。御神木を囲う玉垣は明治27年1月に建立されたが、近年はひび割れたり、傾くなどしていた。
玉垣の改修にあたり、御神木の周辺を清掃したところ、根本付近で幹が2つに分かれていたことが確認された。分かれた幹は寄り添いながら上に伸びている。
新しい玉垣は、基礎を含めて高さ1メートルほど。7月28日には、地域住民が夫婦榊に集い、竣工奉告祭が営まれた。世話役の男性は「夫婦睦まじく、子孫繁栄などを願いに来てもらえれば」と話していた。