外来生物の堆肥化を研究
篠山東雲高校の3年生で、8月に奈良県橿原市で行われた「近畿学校農業クラブ連盟大会」の意見発表で、最優秀に次ぐ優秀賞を受賞した。外来生物のウシガエルを捕獲、処分し、堆肥にする課題研究に取り組んでいる。大きな鳴き声が時に騒音として迷惑がられるが、その鳴き声に強い生命力を感じたと言い、駆除しきるのではなくて侵略を遅らせる、「在来種との共存」というメッセージを発信した。
自然豊かな丹波篠山市大芋地区の兼業農家に育ち、幼い頃から野山で遊び、「虫もカエルもヘビも、平気でつかめる」と笑う。自宅には家族と作ったビオトープがある。そこをウシガエルが“侵略”、在来種のカエルの声が聞こえなくなったことに「やばい!」と感じたのが中学生のころ。在来種の生態に悪影響を及ぼすことは小学生のころから知っていた。
高校2年生の時、一つ上の先輩たちが外来生物のミシシッピアカミミガメを堆肥化する研究に取り組み、その堆肥で立派な黒豆を育てた。研究を手伝う中で、「ウシガエルでもできるのではないか」と考えた。6―8月にかけて篠山城跡の堀でウシガエル17匹を捕獲。細かく刻んでEM菌と混ぜ、発酵させている。12月ごろには堆肥になる予定で、成分を調べた後、バランスのよい肥料に調整するところまではして卒業するつもりだ。
「この堆肥で黒豆などの特産を育てたい。この堆肥が使われるようになれば、ウシガエルの数も減る」と、後輩たちが研究を受け継いでくれることに期待している。福祉分野への進学を考えているが、将来は仕事をしながらも農業は手伝うつもり。「ビオトープの手入れもしたいし」。17歳。