兵庫県と京都府の丹波地域7市町の生産者が丹精して育てた栗の出来を競う「第3回丹波栗(丹波くり)広域品評会」(同実行委員会主催)が4日、同県丹波篠山市で開かれた。「大粒」「美しい光沢」「上品な甘さ」で、全国に名だたるブランド栗。今年は天候の影響で小果が目立ちながらも、会場には生産者の技術が詰まった美しい栗がずらりと並び、本格的な秋の到来を告げていた。
平安時代の書物にも朝廷に栗を献上する国として、「丹波」の記載があり、当時から粒が大きく、良質だったことが伝わる。
今年は天候の影響で品評会の中核品種の「銀寄」「筑波」の収穫が遅れており、点数が兵庫県90点、京都府42点と少なかった。
132点の中から、丹波市丹波栗振興会副会長の村上鷹夫さん(78)の「筑波」が、最高賞の近畿農政局長賞に輝いた。村上さんの「筑波」は、27個で1121グラム。1個40グラム強の粒で大きさをそろえた。
栽培の工夫は▽根元にもみ殻を敷く▽肥料は乾燥鶏糞を中心に使う―の2点。「何より、心を込めて育てている」とにっこり。「1位が取れるとは思っていなかった」と喜びを語った。
丹波篠山市長賞に輝いた森口昌英さんは、「長く栗に携わっているが、こんな収穫が遅い年は珍しい。まだこれから落ちる。割れグリがとても多いし、出来はもう一つ」と話していた。
品評会では品種、大きさ、色つや、粒ぞろい、病害虫、傷や劣化の有無などを審査した。