早くもお正月準備スタート―。正月用若松の日本三大産地の一つ、兵庫県丹波市山南町の坂尻地区で、若松の刈り取り作業が始まった。12月上旬に全国の市場で開かれる「松市」への出荷に向け、各農家ではアルバイトを雇って朝から夜遅くまでの作業が続く。
若松は畑に苗を植え、1年後に定植。3年間育てて4年目に出荷する。
常緑の松は「不老長寿の象徴」とされ、古くから縁起物として正月飾りに重宝されてきた。三大産地の残り2つは、茨城県と愛媛県にある。
同地区での若松栽培は戦後に始まり、女性の華道のおけいこがブームになった昭和40年代に最盛期を迎えたという。現在は同地区を中心に近隣も含め28軒の松農家があり、計約18ヘクタールで栽培されている。
若手の跡継ぎの一人で、丹波若松生産者会の浅田浩伸会長(44)は、「今年は松の締まりもよく、出来は良い。丹波市独自の特産として、若松をさらにアピールしていけたら」と話している。